マルタ
2021/08/01
2023/03/01
マルタはノマド向けの居住者用プログラム、Nomad Residence Programe(NRP)を発表しています
このビザではフリーランスだけでなく、マルタ国外の会社に雇用され、リモートで仕事をできる方でも申請が可能です
ビザの有効期限は1年間ですが、条件を満たしている限り最大3年まで更新が可能です
このビザで居住者は、マルタの非居住者扱いとなる為、183日以上過ごしてもマルタでは税務上の居住者にはなりませんので注意が必要です
※公式アナウンスでは「源泉地で既に課税されている為」とありますが、確かに大半の方は「源泉所得税で課税されているので」という意味になります。
申請できる人
- マルタ国外で事業を行っている企業の従業員(労働契約の提出)
- マルタ国外で登記されている会社の株主やパートナー
- マルタ国外のクライアントにサービスを提供するフリーランサー(契約によるサポート)
- 月収が€2,700以上(約35万円)
家族の分も申請する場合は1人につき賃金の20%を上乗せされます
必要な書類
- 申請書
- Letter of Intent
マルタ移住の動機とノマド居住プログラムへの申請の意図を明確に述べる
また、申請書の記載内容を裏付ける書類のリストを盛り込む必要があります - パスポートの全ページのコピー(空白ページを含む)
- 労働契約書と公式な税金証明
雇用主あるいは会社への義務を明確に示し、リモートでの労働であることを示すこと
※私は日本に納税の必要がないので、納税証明が出せない旨を伝えると、「問題ない」との返答がありました - 一部またはすべてを所有するビジネスの証拠書類
- Europass CV
学歴や職歴、申請者による署名必須 - 銀行口座証明
申請料の送金元で、主たる申請者名義の銀行口座の明細、過去3ヶ月間の収入(給与、配当、役員報酬、賃貸収入、投資からの利益、資産など)※日本のUFJ銀行では、過去の明細は出せず、残高証明だけしか英字で出してもらえませんでした。その旨を伝えたところ、「取引明細が記載されていないとNGです」との返答でした。私はアメリカのユニオンバンクを持っている(明細が出る)ので、「自分の名前で毎月そこにUSDで振り込んで積み立てても良いのか?自分でダウンロードできるPDFだけど問題ないのか?」と聞いたところ、「それはどちらもOKだ」との返答でした。
- 保険契約書
マルタでの医療サービスの費用を補償する健康保険に加入する - Health Declaration
健康保険の適用外の費用について、応募者が負担する宣言書に日付入りで署名 - 家族分のビザを申請する場合は、婚姻証明や出生証明書などが必要
手書きで記入したフォームは受け付けられない
署名は青インクで行う
書類は英語である必要があり、英語でない書類の場合は英語への公式翻訳が必要
もし翻訳が外国で行われる場合は、翻訳者の署名が公証及びアポスティーユを受けること
不動産の賃貸及び売買契約書は、初回申請時には必須ではないとの事です
居住の承認がおりたら、宿泊場所の書類を提出することで最終承認書を発行してもらえます
証明ができればホテルやairbnb、知り合いの家の間借りでもOKとの事です。しかし、その契約の日数分しか滞在許可が出ないとの事で、新しい契約を結び直すごとに新しく申請書類とカード更新手数料(€27.50)が必要になるとの事です
申請自体はマルタ外からしても問題なさそうですが、最終承認書はマルタに入国して賃貸してからか、1か月はairbnb等で一時滞在をしている途中に賃貸物件を探す流れになりそうです
料金
申請料金:€300(約4万円)、追加家族ごとに€300
IDカード発行手数料:€27.50(約3,600円)
納税・社会保障について
- 被雇用者(会社員)の場合はすでに雇用されている国で収入に対する税を徴収されているため、マルタでは非課税です
- 自営業でマルタを拠点とするあるいはマルタで登録されている会社にサービスを提供する場合は、マルタで税を収める必要があり、自営業としての居住許可証を申請する必要があります
- ノマドビザでの滞在の場合、マルタ国外への顧客に対してのサービスであれば非課税です
- 年金については社会保障税を収めている国で徴収されます
- 医療は無料で受けることができませんので保険が必須です
所得税(シングルの場合)
- €0~€9,100:0%
- €9,101~€14,500:15%
- €14,501~€60,000:25%
- €60,001~:35%
※マルタのノマドビザのステータスではマルタ国内で所得税を支払う必要がありません
社会保障税
マルタ居住のステータスの場合は収入の15%の額で社会保障税の負担が必要となります
申請の流れ
- 申請書提出
- 申請書審査
- 受理、マルタ渡航
書類審査は必要な書類をすべて受領してから30日ほどで、基本的にメールベースでのやり取りとなります
総評
マルタは一年を通して温暖な気候であり、EU圏でありながら英語が通じる国となっている為、比較的楽に生活が可能です
また、1年を通じて温暖な気候、他の国への旅行のしやすさ、ノマドビザでならマルタ国外への顧客に対してのサービスであれば非課税というのもポイントが高いです
180日中90日間マルタ国外に出ることも許されております
デメリットとしては非常に小さい島国であり、輸入品が高価、深刻な大気汚染があるので喘息持ちの方だと厳しい環境という事でしょうか
2023年3月時点で特に変更点は無さそうです