フランス
2021/07/29
2023/03/01
フランスはEU圏なので、日本人は90日のビザなし渡航が可能ですが、それ以上の滞在にはビザが必要となります
ビザはビジタービザが比較的容易に取得でき、Micro-entrepreneurといういわゆる個人事業主登録がビジタービザでも可能ですので、オランダやドイツに比べて比較的敷居が低いと思われます
Micro-entrepreneurについて
業務形態により3種類に分類されますが、ラップトップを用いた仕事はBNCと呼ばれるサービスに分類されます
この場合、年間€77,700の売上を超えてはいけません
税金の計算方法は2種類あり、比較的容易なのが売り上げに対しての所得税&社会保障税を支払う方法です
この場合、BNCは売上から34%を差し引いた額、つまり売り上げの66%に対し2.2%を乗じた額が所得税となります
また、社会保障税は総売り上げ(控除無し)に対しての21.1%の支払いで完結します
会計士を雇う必要もないのでかなり楽です
もう一つの計算方法は、少し面倒ではありますが、通常の課税所得に基づいた計算方法となります
世帯での計算となりますので、配偶者や子供がいる場合は通常計算の方が有利に働く可能性が高いです
ビジタービザの取得要件
- 長期ビザ申請書
在日フランス大使館のホームページからダウンロードができます。全て英語またはフランス語で記入し、鉛筆での記入は許可されていません - 証明写真
正面、無帽、背景白、35×45mm、デジタルデータは不可で、申請書指定位置に貼ります - パスポート原本+証明写真のページのコピー
パスポートは申請するビザの有効期間終了日から数えて3ヶ月以上の有効期限が残っていて、且つビザ用のページが見開き2ページ以上残っている必要があります
個人情報と署名が載っているページのコピーも提出します - ビザ申請料金
99ユーロ(約13,000円)相当の日本円支払は現金のみ
審査後ビザが却下された場合でも料金の払い戻しはできません - 動機書
滞在する理由が詳細に書かれた動機書を提出する必要があります
動機書の内容はビザ申請で特に重要になりますので、【フランスで働く】というようなことを匂わす内容は絶対にNGです - フランス滞在中の日本における社会的立場の証明
こちらの書類もフランスから帰国する意思があることを裏付けるための書類となります
何を提出すればいいのか分からない方が多いこちらの書類ですが、教育機関・大学・研究機関の在籍証明書、年金受給証明書の他にも、会社を退職された方なら以前会社に在籍していたという証明書、現在お仕事をされていない方はその理由や状況を説明したレターなど提出することも可能です - 労働しない旨の誓約書
フランス大使館のホームページよりダウンロードできます - 経済証明
1年間の滞在では€17,344.60(約225万円)に相当する、またはそれ以上の十分な滞在資金があることを証明しなければいけません
申請者の経済状況に従って下記の書類の提出が求められます
原則として、申請者自身の経済証明書の提出が必要です(申請日より1カ月以内に発行された申請者名義の銀行の残高証明書)
特例として、申請者のフランス滞在費の正式な保証人となる、第三者の経済証明書の提出も可能
その場合は下記の書類が必要となります - 保証書
1カ月以内に発行された保証人名義の残高証明書および過去3カ月分の給与証明書、または労働契約書、もしくは定期的に収入があることを証明する書類 - フランスでの住居証明書
フランスで滞在する住所を必ず提示しなければなりません
一時出来に滞在する住所を提示する場合は、その旨を申請時に明らかにする必要があります
また、フランス入国後に住所を変更する場合は、申請者自身が移民局に行って変更の手続きを行わなければなりません
住居証明時には下記の書類を提出する必要があります
住居提供者(複数名の場合は全員)による正式に署名・作成日付・滞在開始日・滞在期間・無料で提供する旨が記載され、住居提供者どのような立場で申請者に住居提供をするのか明確に記した住居提供証明書
または、住居提供者(複数名の場合は全員)による正式に署名・作成日付・滞在開始日・滞在期間・家賃金額が明記された住居提供証明書
住居提供者(複数名の場合は全員分)の身分証明書(フランスの滞在許可証)両面コピー
住居提供者名義の賃貸契約書完全版または物件所有証明 コピー
住居提供者自身がその住居を借りている場合:物件所有者作成による、第三者(ビザ申請者)への又貸しを承認するレター
1ヶ月以内に発行された住居提供者の住所を証明する公的書類(公共料金の請求書など)または住居提供者名義の最新の家賃領収書 - フランス到着日から3ヶ月間のホテルの予約書
- 海外旅行保険証券
フランスへの入国日から帰国日まで全滞在日程をカバーするフランスでも適用される保険証券の提出が必要 - 移民局(OFII)提出用フォーム
フランス大使館のホームページよりダウンロードできます - 返信用封筒
ビザが貼り付けられたパスポートを書留郵便で受け取る場合、返信用封筒に宛名と住所を記名し、600円分の切手を貼り付けてください
封筒はパスポートが入る大きさで構いません
パスポート(ビザ)の受け取りについて
- 窓口での受け取り
自分で申請証明チケット(QUITTANCE DE FRAIS DE DOSSIER ET RECEPISSE)の原本を持って来て、祝日を除く月曜日から金曜日まで、8時30分-18時までフランス大使館正面にて受領する - 書留郵送
申請時に氏名・住所を明記し、600円分の切手を貼った封筒を提出された場合(パスポート1件につき封筒1通)、ビザを貼付したパスポートを書留で返送可能です
生活について
基本的に山手線の内側で生活するのと変わりませんが、パリの家賃は渋谷より少し高い水準で、建物も古い為注意が必要です
外食するには割高で日本みたいに安くても満足できるようなお店は少ないです
また、ダイソーやキャンドゥに代表されるような100円均一で買えるような商品でも€3(約400円)するなど、消耗品で足を引っ張られる印象です
総評
パリならエールフランスにて直行便がある
比較的容易にEU圏に留まれる
3ヶ月以上合法(ビザあり)に居住すれば、フランスの健康保険が無料で申請できる
日本と社会保障協定を結んでいるので、フランスで社会保障税を支払えば日本での年金合算が可能である
5年以上の滞在でEU10年ビザが取得可能
日本人が多い為情報が多い
と、結構なメリットがあります
デメリットとしては、
フランス語を覚える必要がある
役場の対応が遅い(日本が良すぎる)
税に対しかなり厳しい
それなりにアジア人差別がある
これくらいでしょうか
ドイツ語やオランダ語と比べるとフランス語は使える場面がある(ベルギーやスイス、アフリカ諸国など)とは思いますし、パリに拘らなければ生活費は比較的やさしく、ビザ取得も容易な国であると思います
パリは都会ではありますが、大阪と京都の中間くらい、東京では上野くらいの規模かなと感じました
リヨンの中心地は地下鉄で寝ても大丈夫だと思えるくらい治安が良いですが、街の規模は吉祥寺程度、福岡市と同じくらいのコンパクトシティです
2023年3月時点で多少の税しきい値、税負担率が変更されました